スマホ連携ナビは日本人に受け入れられなかった

昨年、トヨタが新型カローラから全グレードに標準搭載し始めたディスプレイオーディオ(以下スマホ連携ナビ)ですが、今夏にも標準搭載から選択になるそうです。

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詳細については省略しますが、液晶モニタースマホと連携することでスマホの音楽アプリを起動して音楽を聴いたり、スマホの地図アプリを表示してナビにできるといったものです。厳密には違いますがスマホのスクリーンモニターみたいなものです。

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これらは既に輸入車では一般的になってきて現在ほぼすべての車種に標準搭載されているほどです。

この標準搭載が決まった際、私はトヨタがやるならこれからナビゲーションは売上がかなり落ち、種類も減っていくのかなと思いました。また他社も追従するのかなとさえも思いました。

しかしその一方でかなり中途半端感もありました。標準で使えるのはLINEカーナビやLINE MUSICなどだけでapple carplayやAndroidauto(Google mapやSpotifyなど)は3.3万円の追加料金(輸入車は追加料金払わずともこれらは使えます)、普通のナビ機能は6.6万円からです。正直なところなんだ結局ナビ頼り???ってなっていました。

私はまあこれで色々な層(特にスマホに疎い人たち)をカバーできるのかなと思いましたが、そういうことではなかったそうです。地図があればいいというのではなく、ナビメーカー製のもの(パイオニアアルパインなど)を入れたい人が一定数いるそうです。(CDが入らないっていうのも大きいそうです)またディーラーがオプションの中でも高額かつ購入者の多いナビで稼げない(ナビ機能の追加はあくまでモニターにソフトを入れるだけなので)ということで販売店側からも随分不評らしいです。特にトヨタは全ディーラー全車種取り扱いが始まり、経営の厳しい所ほど淘汰される状況ですのでなおさらだと思います。

 

売店側に関しては今までのビジネスの限界かなと感じました。日本車ディーラーはオプションを付けさせてそれを値引きさせる、そのオプションはディーラーの儲けになることが定番だったからです。最近は生産管理が厳密に行われているために在庫車もかなり国産は減りましたので売りつくしみたいなのはあまりありません。ビジネスのあり方を変えていくのは難しいので、標準搭載のスマホ連携ナビは今後も普及しないと思います。ただしオプションのカーナビの中にはスマホ連携対応ナビもあるので連携自体はできます。メーカーからすれば標準搭載することで可能となった本部で一括して膨大なビックデータを収集する機会を失ったので結構ショックだと思います。サンプル数の多いビックデータを用いてマーケティング戦略を練れば精度の高いことができるので。

次に顧客は相変わらずオプション大好きだねと思いました。輸入車はインポーターが絞ってる関係で本国よりオプション少ないですが、本国もそれほど多くはないです。その点日本車はオプションがありとあらゆる物があるので本当に充実しています。そういったこともありオプションにはうるさいと思います。市販のナビがつけられないことにかなり抵抗がある人が多いというのは驚きました。スマホ連携ナビは規格や車両システムを統括している関係で市販ナビがつけられないことがほとんどですが、わざわざトヨタでは市販ナビがつけられるように既存のスマホ連携ナビ標準搭載車でも配線を見直すくらいですからね。スマホ連携ナビは通常のナビほど細かく経路指定等もできないですし、まだまだ道が複雑な日本では難しいと思っていましたがそれ以前の問題だったようです。 (Google Mapのストリートビューとかで確認してから行けよって思います、個人的には画面いちいち見ながら運転するのがストレスなのでスマホ(連携ナビ)の音声案内+道路標識のほうがわかりやすい気がします。)

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スバルXVのメーカーオプションである、カロッツェリアサイバーナビ

 

まとめ

日本では車の性能や走り以上に使いやすさを求める傾向が強いので今後ともオプション装備満載!といった流れは続きそうですね。スマホ連携ナビは元々カーナビは高級車にしか搭載しなかった外国で先に広がりましたが、日本ではかなり多くの車に元々つけているために、カーナビに劣ってしまう点でどうしても普及は難しいと改めて感じました。