教員志望だった高校時代の「私」が考えたこと

またしても教育関係のテーマです。3年末時点で専門の科目をゼミ以外取ってしまい、今年は教職しかないからかもしれませんが、よく思いつくので。

 

タイトルにもあるように、現時点で教員志望ではありませんが免許は取っている状態です。

私の大学には教育学部はありませんし、教員の採用者割合も0.5~2%ととても低いです。私自身の過去を振り返りつつ、教員を目指すうえでどういった思考をしたのか見ていきます。

 

 

中学生の頃に目指すようになった

これが早いか遅いかはわかりませんが、中学生の頃には社会の教員になりたいという目標を持っていたと記憶しています。たぶんこの頃には教育学部に行って、採用試験に合格すればなれるということ、学校の先生の中には地公臨*1がいること、一回で正規教員になるのは難しいというくらいのことは知っていたと思います。

教育学部に行っては必ずしも正解ではありませんが、それ以外のことは事実ですし、もし教員になりたいのであれば初期に知っておいた方がいいことだと思います。

 

高校に入り、地元の国立教員養成大学を調べるようになった

私の地元県では公立トップ校→地元国立大教育学部が王道コースでした*2が、残念なことに公立トップ校に落ちてしまい、15歳の時点で教員の王道コースを断たれました。そこから、少しでも教員になれる方法を模索し始めました。

まずは高校入学後すぐに地元国立大教育学部*3を調べ、1年夏にはオープンキャンパスに行きました。この頃になると社会か国語で悩み始めました。理由としては教育学部の社会専攻はとてつもなく入試難易度が高いからです。得意科目は社会でしたが、入試では社会1教科ではないですので。模試も受けはじめますが、D,E判定続きです。そのうえ、自分よりも頭のいい人たちも地元国立大教育学部を狙っていることから、私の枠はないと思い、狙いつつも他校を見始めました。教育学部の場合だと専攻ごとに募集をかける場合と、入学後に専攻を決める場合があります。私の地元の国立大教育学部は前者だったこともあり、推薦も入れて15~17人くらいと狭き門でした。

 

都留文科大学を志望するようになる

2年次になり、大きく変わり始めます。都留文科大学卒の先生が担任になりました。この先生にすすめられたのが都留文科大学(以下都留文と表記します)でした。わざわざ山梨まで…と思うかもしれませんが、公立大学ですが全国各地で入試をし、公立大学中期日程を実施する数少ない学校であることから知る人ぞ知る大学でした。都留文には初等教育学科という教員養成の学科があり、教員養成にも力を入れている大学です。*4

2年と3年で1回ずつオープンキャンパスに行きましたが、私にとっては地元国立の教育学部より雰囲気が好きだったこともあり、2年次に早々に志望校を変えました。*5

私の地元県でも卒業生が何人も教育モデル校の学校長を務めるなど、都留文のOBは多くいました。また、国文学科や英文学科など教育学部でなくても小学校免許が取れるという特徴を持っています。国文学科や英文学科の方は高校教員になる人も多いらしいです。

このほかにも新潟大学教育学部や、上越教育大学学校教育学部なども実際にオープンキャンパスに行きました。

2年の後半になり、私大の併願校等を考えなくてはならない時期になりました。当然、教育関係を見始めますが、私大の教育学部は数が少ないことから滑り止めにならない状態になりました。首都圏だと文教大学明星大学は有名ですが、教育学部の入試難易度はかなり高いです。中々決められず3年次までいきます。

 

教育学部以外への進学を考え始める

2年の冬にシロクマでおなじみの河合塾マナビスに入塾しました。マナビスは映像授業ですが、必ず担任的なものがつき、大学生バイトでない社員の人がアドバイスしてくれる制度があります。このときの担当がなんと元高校教員だったのです。以下アドバイザーと表記します。

3年春頃になり、いまだに私大の併願校が決められない中で、経済学部など教員養成以外の学部をすすめられるようになりました。理由としては圧倒的に数があるため入りやすいこと、そういった学部からでも中学校・高校の免許は大半で取れるうえに*6、想像以上に採用されている実績があることでした。

アドバイザーからは地元県以外の教員もすすめられました。この頃、東京都など都市部では教員採用試験の倍率がかなり低下してきたことや、地元県と違い入学しやすい大学からでも正規教員になれること*7でした。当時は恥ずかしながら3教科ではGMARCHに頑張ればギリギリから成成明学独國武という中途半端な頭でした。大都市であれば、そのレベルでも十分に高校教員を目指せるといわれました。*8

そして3年の頃になると、自分の中で本当に教員になりたいのか?という疑問が出てきました。周りの教員志望に比べ、子どもが好きというわけでもないし、悩み始めました。

進路変更と教職の志望度

夏に今まで行っていなかった私大のオープンキャンパスに行きました。学習院、青学、法政、成蹊、成城、國學院明治学院、東洋、専修と立て続けに行きました。その結果、見てきたような有名私大に行きたくなってしまい、3年の夏に教育学部から有名私大の文学部or法学部or経済学部という進路変更をしました。ある意味では打算的な志望校選びなのかもしれません。こういう選び方は塾特有だと思います。塾は大手なら圧倒的なデータを持っているので。

ただ、この進路変更で教員をあきらめたわけではありません。何学部でもいいのか状態でしたが、中学校と高校の両方の教員免許が取得できる学部という条件をつけていました。*9また、民間や公務員だけの就職状況だけでなく、教員への就職状況やサポートも見て選んでいました。

そうして秋頃になると、教員は絶対なりたいのではなく、選択の1つとなっていきました。代わりに一般事務の地方公務員や、団体職員、金融関係にも興味を持ち始めました。

遅かったですが、大学へ進学する前に教員以外の進路も考えられたのは本当に運がよかったです。今思っても、おバカだったからこそ色々考えられる機会があったんだと思います。ちなみに今でも教員関係が詳しいのは、中学校時代から高校2年まで本気で教員になりたくて調べまくったからだと思います。私の周りの教員志望は親や親戚が教員という人が多かったですが、私の場合は身内にいなかったので相当必死に調べましたw

そして受験へ

そして冬になり、受験期が来ました。今思えば秋頃、上越教育大学の推薦出してみないかというのを断ったあたりから、もう教員志望ではなかったのかもしれません。

今は亡きセンター試験は悲惨なもので、A判定が出たのが某北関東の市立大学くらいでした。ここは中高の教員免許は取れるものの、採用は0.5~2%と事実上教員になるのは厳しい学校でした。都留文は一番行きたかった国文学科の判定は厳しいもので、現在の地域社会学科のA判定くらいでした。結局前者に出しました。ここが一番安全だったから国公立を滑り止めにしました。

私大の方ではG習院、S蹊、S城、K學院、M学、センター利用でT洋に出しました。いい加減かもしれませんが、全部の中でG習院かK學院に受かったら教員に、それ以外だったら教員は諦めることにしました。まあ賭けみたいなものです。残りの大学は教員採用率が高くなかったこと、民間の方が圧倒的にいい就職先だったからです。

結局某北関東の市立大学に進学しました。残りは挙げたうち1つだけ私大に受かりましたが、ここも教員の採用割合は高くないところでした。この時点で教員になれないことを悟り、4年間教員にならないという前提で教員免許の取得を開始しました。結局、卒業時には中学校社会、高校地歴、高校公民、高校商業と4つになります。商業に関しては普通高校だったので、高校生の頃に考えたことはありませんでした()

 

結局何を考えたのか

私の場合は途中で教員志望でなくなったことからそれてしまいましたが、大事なのは確率かなと思います。

例えば就職難易度では難しい順に高校>中学>小学校です。どうしても教員になりたければ小学校を目指すのが手っ取り早いです。そのためには小学校免許の取れる学部(ほぼ教育学部)へ行くのが最速です。学部のことは受験結果もあり難しいですが、とりあえず普通の学部でも中学は持っていた方が圧倒的になりやすいです。転職でも同様です。

中学校、高校の場合は科目別ですが、文系だとなりやすさは英語>国語≧社会だと思います。社会は取得できる大学が多く、5教科の中では取得者もNo.1ですし、中学校の免許取得者では保健体育に次ぎ多いです。そのうえ、英語や国語に比べ学校での配置人数が少ないことも結構あります。

また地域だと大都市がなりやすい傾向があります。地方だと地元で働けるということもあり、まだまだ倍率は高く難しいです。

これも確率で考えていくのが一番いいと思います。もちろん自分の希望も大事ですが、ある程度打算的に考える必要があると思います。特に私のような凡人は。

あとはブレない場合には教員に多く採用実績のある教育学部や、比較的採用実績のある大学に行くべきだと思います。教育学部がなくても教員に比較的強い大学は意外とありますし、そういった大学では学内で予備校の人を招いて教員対策をやっていることが多いです。大学としても教員採用に特化した就職課の人がいたりします。

教員に採用実績のある教育学部というと地元国立などを思い浮かべがちですが、その限りではありません。1990年代以降に4年制大学になったところやそのころ新設された学部でも多くあります。学校名は有名ではないかもしれませんが、早い時期から教員対策に力を入れている学校も多くあります。地元国公立の教育学部以上の合格者数/割合を出しているところもあります。

大学入学後に教員就職へのサポートが全くなく後悔したという話を聞いたことが何度もあるので、目標に向かい逆算していくことが、特に教員の場合だと大切な気がします。ちなみに教採対策で有名な東京アカデミーは通信と対面で値段は違ってきますが、大学受験の塾に比べれば安いです。あとは免許の取得の関係でもほとんどが大学1年次から授業を取る必要もあるので、高校卒業くらいまでには教員になる可能性が0か少しでもあるのかは理解しておくことが必要だと思います。

*1:臨時的採用教員のことであり、民間企業でいう契約社員

*2:現在は教員の倍率低下とかで王道とは限りません

*3:全国で初めての2つの大学が協力して学部運営をしている共同教育学部のある某大学

*4:2018年に改編があり、現在は教養学部学校教育学科です

*5:裏事情で当時数学2Bが壊滅的だったこともあり、3教科で受けられるのも魅力的でした

*6:当時はもちろん知っていました

*7:このアドバイザーの方がいわゆる河合の偏差値表で30台の大学を卒業した方で、大学の特待生だったらしいです

*8:私の地元も含め、地方に行くと普通に東大とか旧帝一工卒が結構います。私の高校時代の日本史の先生は北大の修士でした

*9:学費を出す親が、学費を出す条件として中学校と高校の教員免許を取得すつこととしていたので。