ミラーレス一眼の新規キャンペーン終焉

ようやくフルサイズミラーレスの王道中の王道Sony α7ⅲの後継モデルであるα7Ⅳが発表されました。半導体不足等の影響で日本での正式発表はまだですが、基本的なスペックに違いはないと思います。

今回のα7Ⅳのスペックに関しては既に様々な意見が出ているところです。特に昨年キヤノンが本気を出した?EOS R5やEOS R6がかなり売れ行きがいいこともあり、ソニーに対する期待値も相当上がっていたと思います。いざ蓋を開けてみると特別なサプライズはなく正常進化の後継モデルでした。

賛否両論ありますがα7ⅲが出た2018年初頭と現在ではカメラの環境もがらりと変わり一概には言えませんが、既にミラーレスのご新規キャンペーンが終わった結果が今回のスペックに表れているのではないかと思います。Sonyはα7ⅲで一気にミラーレス主流の流れを作り、一眼レフ時代の2大メーカーのキヤノンニコンも追随しました。ニコンは何とも言えませんが、キヤノンはEOS R5とEOS R6で一気にミラーレス移行をすすめたと思います。その結果、業界全体でフルサイズ市場(ミドル~ハイアマチュアレベル)でのミラーレス化に目途が付いたと考えられます。マーケティングでいうならアーリーアダプターの層には行き届いたのだと思います。結果、大きなイベントを用意する必要がなくなりいわゆる正常進化モデルが生まれたのだと思います。おそらくEOS R5やEOS R6の後継モデルがあと2年もすれば出るはずですが正常進化モデルになる気がします。

 

前置きは長くなりましたが、α7Ⅳではインターネット上で主に2点が残念だと言われています。1点は連射性能、もう1点は電子シャッターにおけるローリング歪み(こちらは懸念)です。前者に関してはEOS R6では電子シャッター時に20コマ/秒、メカシャッター時に12コマ/秒に対し、α7Ⅳでは10コマ/秒です。もちろん画素数の違い等で一概に完敗というわけではありませんが、電子シャッター時の連射速度はもう少し上げてもよかったのでは?と思います。個人的には上位機のα7Sⅲが1200万画素で10コマ/秒であり、ベーシックモデルのα7Ⅳが3300万画素でそれ以上の連射速度になるのはよろしくないと判断したのかもしれません。もちろんSシリーズは高感度性能が売りですが。

もう1点のローリングシャッター読み出し速度における歪みの可能性については、電子シャッター使用時には大きな問題となりますが、筆者のように乗り物メインの場合には今しばらくメカシャッターを使い撮影するので、歪みが気になる構図や被写体であればまだまだ電子シャッターを使うのは難しいのかなという感じです。実際にライバル機種のEOS R6はローリングシャッターの読み出し速度はα7Ⅳよりも速いそうですが、webの鉄道写真のレビューを見る限り結構目立っていました。

ここまで悪い点ばかり羅列していましたが、α7Ⅳはα1譲りのAFにα7Sⅲ譲りのボディと上位機種の良い所も沢山吸収されています。早く実機を触って確かめたいです。