夜の飛行機の撮り方(バルブ)

この春休み、夜の飛行機をきれいに撮りたくて色々と勉強してみました。

それまでの僕は昼間しか撮らなかったのでかなり多くのことを学びました。

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Nikon D7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 

SS10秒 F10 iso100(RAW現像後補正)

 

 

バルブとは?

バルブとは夜に停まってる(飛行機)を撮ることです。停まっているためにシャッタースピードを上げる必要がないためにisoを上げず、また長時間シャッタースピードを開けるために光量の確保のために絞りを開放することなく、絞って撮影することができるためにピントが全体に行き渡りキレイに撮影することができます。飛行機は離陸するまでに駐機場から滑走路までタキシングという地上移動を行います。その際、離陸待ちなどで滑走路や誘導路で一時停止をするタイミング(2,3分)を狙って撮ること、あるいは駐機してる飛行機を撮ることになります。

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Nikon D7200+TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD

SS10秒 F9 iso100

上の写真のように完全に停まっている(しばらく動き出さない)機体をはじめはチャレンジするのがオススメです。

 

カメラ以外に必要なもの

三脚

シャッタースピードを上げないために手ぶれが起こりやすくなります。特にバルブではシャッタースピードが数秒間なので手持ちは99.9%不可能だと思います。また羽田空港は海に面していて風もあるためにある程度しっかりした三脚がおすすめです。

レリーズ

レリーズがなくても撮影できますが絶対にあったほうがいいです。レリーズを使わずに撮影すると成功率が圧倒的に低くなります。理由としてはレリーズを使わないとシャッターを切る際にカメラに直接触れることとなりその振動でぶれた写真になってしまう可能性があるからです。レリーズはピンキリですが動作保証の点からも純正のほうがいいと思います。私はNikonですが3,000円程度で買えそれほど高価ではないので。

防寒対策

夜間の撮影となるために防寒対策をオススメします。

撮影準備

カメラを三脚に装着したら以下のことを行います

手ぶれ補正モードをオフにする

これはバルブに限らず三脚を使っている場合に手ぶれ補正モードを使用すると画質低下の可能性があるからです。

ピントをマニュアルにする

オートフォーカスでもできないわけではないですが、夜間の撮影だと機体でないもの(空港の展望デッキだと大体柵)にピントが合ってしまうことがあるからです。正直自らマニュアルでピントをあわせるほうが早く正確にできます。私はピント合わせの基準として機体に書いてある文字を使いそれがはっきりするように合わせています。

ライブビューモード/ミラーアップで撮影する

一眼レフで通常の場合は撮影時にミラーの振動がありこれもバルブ撮影においてブレの発生の原因になります。そのためミラーが下りた状態になるライブビューモード(画面を見て撮影するやつ)やミラーアップモードで撮影します。

その他にも高感度撮影時のノイズオフ、長時間露光のノイズオフをしておくといいと思います。ただし私はRAWで撮って後ほどソフトで調整するので撮影時にはしていません。

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Nikon D7200+TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD(トリミング済み)

SS6秒 F9 iso100

このようにシャッタースピードが6秒ほどでも十分に撮影することができます。

絞りを絞る

絞りを絞ることにより広範囲にピントが合うようになります。できればF8以上がいいでしょう。無難にはじめはF8でやるのがいいと思います。また絞りすぎると画質劣化につながるために僕は絞ってもF11程度までにしています。

シャッタースピードを遅くする(超重要)

バルブ撮影ではシャッタースピードを遅くします。初めのうちは3秒程度から始めるのもいいかもしれません。なれてきたら5秒、10秒とやるのもいいかもしれません。僕自身はいつもシャッタースピードを8秒、10秒にしています。ただしタキシングによる一時停止の場合は2,3分しか止まらないので長すぎると動きはじめてしまいます。動きはじめてしまった場合はぶれてしまうので失敗です。

isoを上げない

シャッタースピードが遅いのでisoを上げる必要はありません。上げても400くらいで十分だと思います。これは出来上がった画像を見て暗ければ上げればいいですし明るすぎれば下げればいいと思います。場合によりけりですが10秒-13秒シャッターを切るとiso100程度でも十分明るさを保ち撮影できます。

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Nikon D7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 

SS10秒 F10 iso250

isoは写真の仕上がり具合を見て調整してみるのもやり方の1つです。

いざ撮影

ライブビューでピント調整

ライブビューではモニターでピント調整します。(10年程度前の機種はできませんが現在では多くの機種でできます。できない場合はミラーアップ状態でファインダーを覗いて行います)モニターを使えば構図はそのままで部分的に拡大をすることもでき拡大しながらピントをマニュアルで合わせていきます。

レリーズでシャッターを切る

いよいよシャッターを切ります。切る時間はじっと待っている方がいいです。万が一レリーズを忘れた場合はセルフタイマーでシャッターを切ることもできます。(がその分時間のロスが発生します。特にタキシング中の飛行機の停止時間はわずかなのでロスは大きいです)

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Nikon D7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 

SS13秒 F10 iso250

タキシングで一時停止中の飛行機が動き出す直前になるとランディングライトが点灯しますがそのタイミングで撮影できると一番かっこいいです。ただし動き出してしまうとぶれてしまうので難しいところです。

 

オススメの場所

羽田空港国際線ターミナル展望デッキ

ここは24時間開放されているので時間に関係なく撮影ができます。アクセスも良いのでオススメです。終電後の脱出方法はまだ後日書こうと思います。

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Nikon D7200+TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD

SS10秒 F9 iso160

羽田国際線ターミナルにある展望デッキでは24時間開放されているために日中は撮影することのできない航空会社の便も撮影できるのが大変おもしろいです。