これから教員免許を取るあなたにオススメの本

いよいよ春になり、これから大学生という方も多い気がします。そこで今回は実際に大学で中学校と高校の教員免許を取得した筆者がオススメの本を紹介します。よく大学でもオススメの本は紹介されていますが、初学者には難しいような本も結構あるのでここでは今から教員免許を取る人向けの易しめの本を紹介します。

 

まんがで知る教師の学び: これからの学校教育を担うために

 このシリーズは何冊かありますが、最初に出版されたこの本が最初の基礎を知るには最も適しているかと思います。筆者の大学の教職原理(科目名は教師論など色々ですが)という教職の最初の入門授業で使ったものです。漫画仕立てなのは好き嫌いが分かれそうですが、1年次に読んでみておおよその教師の仕事内容など重要な部分を掴むことができました。続編には、教職を履修すると嫌なほど出てくるアクティブラーニングをテーマとした本(後述)もあるのでこちらも1冊目を読み終えたあとにはいいかなと思います。

 

まんがで知る教師の学び2: アクティブ・ラーニングとは何か

 先程の本の続編です。アクティブラーニングとは主体的・対話的で深い学びの実現という意味なのですが(これは呪文の如く覚えさせられたフレーズです)、実際にはかなり深いものでもあります。そして、教職をやる上で避けられないものとなります。授業でも当たり前のようにこの言葉は出てくるので早いうちにある程度知っておいたほうが後々楽になるという理由で紹介します。

 

学習指導要領

 教職課程を履修する上で絶対に手元においておくべき本です。ネットでも閲覧できますが、安いので購入して損はないでしょう。大雑把に言うなら、指導する上での狙いや注意、意義について文科省が現場の教員に向けてのメッセージです() 学習指導要領は大体10年に1度改定されるのですが、これからは平成29・30年改訂のものになります。

www.mext.go.jp

 

 よくわかる教育課程[第2版] (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)

 今までのものに比べると少し専門性が高くなる本です。筆者が大学1年で履修したカリキュラム論で使ったものになります。この本は学校教育のカリキュラムに焦点を当てていますが、特筆すべきものとして戦後学習指導要領の変遷について細かく記載されていることです。約10年ごとに変わる学習指導要領のそれぞれの時代にものの特色について1つ1つわかりやすく載っていることから、なぜ今の学習指導要領ではこういう点を重視しているのかということについて学べます。カリキュラム関係は一見難しそうに見えますが、他の教職科目につながっていくことが非常に多く、早いうちに履修をするべき科目ということもあり紹介しました。

二月の勝者 ー絶対合格の教室ー (1) (ビッグコミックス)

学校教育とは関係のない漫画です。舞台は中学受験の大手チェーン塾の吉祥寺校をテーマにしたものです。何かと今都市部で話題の中学受験ですが、理想の世界を描くのではなく受験塾の現実(特にお金の話とか)についてリアルに描かれている点は非常に価値があります。ドラゴン桜やごくせんなどと違うのはこの点です。学校教育を学ぶ人達の中には何故か一定数塾を毛嫌いしたり、お金の話を嫌がる連中がいるのですが、教育を学ぶものとして最低限の今どきの塾知識はつけておくべきです。塾を知ることで学校(公教育)の役割について考えるきっかけになると思います。2021年夏には日本テレビ系でドラマ化されます。