教員免許取得をやめるタイミング

私の周りには意外にも教育学部ではないにもかかわらず、教員免許を取得しようとする人がいます。そこで今回は自分の周りを見たうえで、主観的になりますが教員免許取得をやめるのはどのような時期かを見ていきます。

今回は、教育学部など教員免許取得が卒業要件となっているパターンを除きます。

 

 

入学してすぐに行われるガイダンス後

正確に言うと、まだ免許取得になる前です。ですが、ここで辞める人が圧倒的に多いです。私の学部でも最初のガイダンスには100人ほど来ていたことを記憶していますが、最終的に4年次の実習までたどりついた学生は私を入れて10人ほどです。とにかく興味本位で来る人も多いです。辞めた人に理由を聞くと、こんなに授業取らないとなのか…という意見が圧倒的に多いです。教員免許取得に必要な授業数等はこちらの私の記事も参考にしてください。

学校や教科によっても変わりますが高校の免許1つだと、卒業要件以外に約30単位+教育実習2週間、中学校と高校の両方の免許の場合には卒業要件以外に約50単位+教育実習3週間+介護等体験7日間です。

また、親が大学を出ている友達曰く、親の頃は簡単に取れたから簡単だろうと思ったら大間違いだったというのも聞いたことがあります。昔はかなりゆる~く教員免許が取れたそうですが、現在は大学自体が文科省の単位認定には2/3以上の出席ルールだったり厳しいです。特に中高の両方だと私のところでは50単位ですが、年間で取得できる卒業要件単位も上限が約50単位と4年間で5年分くらいの単位を取ることになり時間的には大変です。

上の理由ともかぶりますが、免許取得に割く時間が多すぎてアルバイトやサークルに集中できない、他の資格の方がコスパがいいなどがあるそうですが、根本的にはめちゃくちゃ時間を使うのが嫌という理由に結びつきます。

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1年前期終了後

2番目にここで辞める人が多いです。逆にここを乗り越えられた人は、ほとんど免許が取れているような気もします。辞めた人に理由を聞くと、そもそも授業数が多すぎて出席もテストも大変という意見が多いです。

また同数くらいで、教職の授業が楽単じゃなくてもう我慢できないという意見も多いです。ここも大学によっての部分ですが、一般的に教職系の授業は教育学部でない場合、遅刻欠席せずに出席をしていれば単位を落とすということはあまりないと思います。テストも書けば余程ひどい場合以外は大丈夫です。

では何が大変なのかというと授業のルールです。出席が厳しいというのも感じますが、それ以上に教師としての自覚を何度も持たされるからです。実際にあったところでは、90分間飲み物を飲んではいけないとか、スマートフォンを触っていると没収されるとか、髪を染めることを禁止されるなどです。これらは極端ですが、通常の授業以上にグループワークをして発表というのが多いです。また、教職の授業は教育実習や教職実践演習などの実習関連以外は何年次でも履修できるものも多く、初めのうちは教育に関する知識もないのでとにかくついていくのが大変な授業もありました。

卒業要件にカウントできる授業*1も実は結構厳しく、教職以外はほとんど履修しないような、毎回課題が大量に出される厳しい授業が免許取得に必修だったりします。

以上のようなことに耐えられずフェードアウトする人が出てきます。1年前期の辞めラッシュが終わるとしばらくは安定の時期に突入します。教職系の授業は意外と違う科目でも共通している部分も多いので、学年が上がれば上がるほど基礎知識がある分楽になります。

 

3年次後半

私の大学では教員免許取得をキャンセルできるのは3年次までというルールがあります。理由は4年次には教育実習があり、年度が変わると実習校側にもスケジュール等で迷惑をかけることになるからです。ここで辞める理由は教員への就職を希望しないからが圧倒的です。就職活動もある中で教員免許の取得はかなりの負担となってくるからです。特に教育学部以外だと4年次に実習というパターンが多く、そうなると実習や授業で多くの時間を取られてしまうからです。ただし、工夫次第で民間との就活を併願しながら免許取得は可能となります。詳しくは私の記事を参考にしてください。

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まとめ

大体この3つが免許取得をやめるタイミングです。個人的には免許取得をやめることはおススメしません。余程の事情がない限り、取るべきだと考えています。

理由は社会人になってからの取得はほぼ不可能だからです。社会人でも通信等で教員免許を取れますが、それはあくまでも免許の教科の追加などが一般的です。*2通信では教育実習や介護等体験は対象外ということがほとんど*3ですので、一から取るということは大学に再度入学する、あるいは通信でも科目履修ではなく2,3年次編入などとなります。また、実習は連続した〇週間(日間)ということもあり、仕事の関係からも大変厳しいと思われます。こういった理由からも、大変でも教師になる気がなくても取る価値はあると思います。

余談ですが、教員免許は有効期限が10年ルールがありますが、もし10年経過しても消えるわけではなく、例えば15年後に更新講習を受ければそこで復帰します。更新講習自体は現職の教員か、採用候補者リストに載らないと受けられないらしいですが、教員への就職が決まった場合等には教育委員会等に相談すれば受講できると思います。ちなみに10年経過しても資格欄には記入できます。

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*1:主に教科に関する科目

*2:例えば中学社会の免許をすでに取得している場合、同じ校種の他教科免許であれば実習をせずに座学のみで免許を追加できます

*3:法政大学などは卒業生のみこれらが履修できます