学校の先生になりたい人の大学・学部選び

教員免許が取れるから採用されるわけではありません。

当たり前のことですが、教員になりたい人の大学・学部選びでは一番重要なことになります。

優秀だったものの、大学に教員養成ノウハウ0だったために2次試験の対策が全くできず(指導を受けられず)に不合格になってしまったという話を何件も聞きました。

 

 

どの程度教員養成に実績があるのか(教員採用試験に合格しているのか?)

おそらく教員になりたい人はチェックしていますが、ランキングに惑わされてはいけません。教員採用ランキングには、大きく分けて採用者数と採用者の割合があります。更にその中で正規教員のみか、または非正規の教員も含むかがあります。このようにランキングと言ってもたくさんあります。

本気で教員になりたいのであれば採用者数と採用者の割合の両方をチェックした上で、正規教員の数に絞ったものかを確認する必要があります。

教員採用者数

大規模大学が当然上位に来ます。国立だと大阪教育大学北海道教育大学、私立だと文教大学日本大学などが定番です。多ければ多いほど大学の就職課には教員になった人のデータや情報が蓄積されているので当然良いことです。しかし、同じ20人教員になった人がいてもA大学は1学年30人、B大学は200人の場合、どちらのほうが教員に強いかは明確です。そうしたことから必ずしも採用者数が多ければいいというわけではありません。

教員就職率

私の大学では教職課程があるものの、履修者は大体全体の2%程度、さらに合格者はその中の15%程度です。あえて教員になりたい人がこの大学に行く価値はあるでしょうか?  しかし先程の事例からもわかりますが、こちらも弱点があります。例えばC大学は合格率80%ですが1学年10人、D大学は同じく合格率80%ですが1学年300人と考えればわかります。少人数のほうが手厚いというメリットはあるものの、小さいところほど1人の合否で割合が大きく変わってくる部分があります。(年によるバラツキが大きくなりやすい)こうした点にも気をつけていく必要があります。

正規採用かどうか?

最後に正規のみか非正規も含むかということです。実は非正規も含む場合と正規のみでは順位が結構異なります。非正規が多い場合当然安定しないわけですし、現職といっても毎年採用試験を受け続けるなどハードな部分もあります。特に教員の正規の一発合格は難しいことから非正規でも教師を目指すために受け入れるかどうかを高校生のうちに考えておいた方がいいでしょう。・

 

あまりオススメしない大学・学部の選び方

雑誌や書籍でオススメされていた

設立が比較的新しい地方の私大に多い傾向があります。「現役高校教師もオススメ」など色々宣伝文句がありますが、所詮その雑誌や書籍にお金を払って広告としているだけです。本当に実績があるのかはこのあと紹介するようなやり方の方がわかります。

有名大学・国公立大学だから

有名大学や国公立大学でも教員に実績がないところは多くあります。特に教育系のない大学の場合、教職課程があっても採用に全く力を入れていない、ノウハウがないところは意外とあります。ネームバリューは大事ですが、教員一筋の場合は最優先にするべき箇所ではありません。ただし、教員以外にも進路を考えている場合、教員免許を取ることが最終目的であれば悪くない選択肢です。

高校の先生のオススメ

高校の教員免許を所有する筆者が言うのも微妙ですが、高校の先生は受験のプロとは限りません。特に未だに頑なに国公立大学を信仰するもの、いつの話?というような昔話をする教員は結構います。ただし、参考になることもあります。塾と異なり受験指導だけが仕事ではないため、どうしても疎かになっている現状があります。受験は特に去年の情報が通用しないことが多々あるような非常にスピードの早い面があることから、このブログも鵜呑みにしてはいけません。また、親の情報も同様です。

 

個人的にオススメの大学・学部の選び方

就職先から判断する

大学には就職先が載っていますが毎年すべての就職先を載せている大学、一部抜粋の大学、数年間の情報を一部抽出しているところなど様々です。おそらくこれだけでの判断は難しい気がします。

各大学のホームページにある教職課程のページを見つける

こちらのページのほうが詳しく載っています。いきなり見つけることは難しいので、学部のページ等から取得可能な資格のページに飛びます。ここに学部で取れる教員免許の種類が書いてあり、ここのページやそこから更に別のページ(就職関係のページなど)に免許以外の教員養成についての情報の記載をされています。大学によっては教育学部がなくても教職に特化した教職センター的なものがあるところもあるので、そういった大学は力を入れている傾向があります。

見つからない!!という人もいるとは思いますが、教職課程のある大学では教育職員免許法施行規則第22条の6に基づいて教員の養成の状況を公開しなくてはいけません。これは義務なのでどの大学のホームページにも必ずあります。ちなみに公開義務のある項目は6項目ありますが今回はその中の一部を紹介します。

 

2. 教員の養成に係る組織及び教員の数、各教員が有する学位及び業績並びに各教員が担当する授業科目に関すること

大学によっては常勤(専任教員)の教職担当の教員数などが載っています。教科の科目と教職の科目がありますが、後者の科目の方が大事になってきます。特に教職科目の専任教員数が少ない大学は採用実績があまりよろしくない学校も結構あります。

 

4. 卒業者の教員免許状の取得の状況に関すること 5. 卒業者の教員への就職の状況に関すること

ここをチェックしてください!!! ここだけは絶対にチェックしてください

4はどのくらいの人が免許を取得しているか、5はどのくらいの人が実際に教員に採用されたかについてです。学校によってはここで丁寧にも正規教員か非正規教員か記載している場合もあります。特に教育学部以外で学生数に対して教員免許取得者が少ない場合、あまり力を入れていない可能性もあります。

これらはどの大学であれ公開されています、ぜひ教員志望であればチェックしてみてください。ちなみに稀に載せていない大学もありますが、そういう大学は察してください。(私の大学は載せていなくて文科省に怒られました)

文科省HPの認定大学等実地視察についてを閲覧する

すべての大学ではありませんが、年に数大学~数十大学の教職課程について文科省が評価をしているページです。甘々なのかと思いきや、結構はっきりと良いところと悪いところについて書かれているので意外とオススメします。専門的なことはわからなくても、文句をたくさんつけられている大学はあまり積極的に選ぶ理由はないかと思います。ただし、どこの大学も免許の交付に関しては年々厳しくなっています。

www.mext.go.jp

 

実際に訪問して雰囲気を確かめる

やっぱり最後はこれかなと思います。雰囲気って何気に大事だと私は思います。オープンキャンパスとかで行ってみると直感的にここの大学いいな、ちょっとななど色々ありますがなにかしたら感じます。そういう直感や雰囲気ってあながち間違いではないと思うので、行ってみて確かめることってお金も時間もかかって大変ですが行ってみるのが結局は一番だと思います。一度も行ったことのない大学に行くのってちょっとリスキーですし、行くことで受験勉強のモチベーションが上がることもあります。学校によっては教員や事務との相談会や、現役大学生と関わって意外な話を聞けることもあります。教員養成系だとホームページやパンフレットに載っていない裏情報的な話をすることもあります。

 

まとめ

公立学校の教員は地方公務員かつ、小中学校の場合には学校数も多いことから転居を伴う異動というのがほとんどありません。私も挙げたような安定性で志望していた時期がありましたが、実際にはかなり大変な職業でこうした理由だけだと中々続かないと思います。逆になるべき教師の理想像がありすぎても、理想と現実のギャップで後々苦しむことも多々あります。高校生のうちに調べられるだけ調べた上で本当に教師になりたいか、もう一度考えてみることをおすすめします。

また、大学進学後に免許を増やしたい(教育学部ではないので小学校免許が取れないなど)場合、採用後に追加で取ることも多くの自治体で推奨されていますし、上越教育大学の大学院で取る、明星大学などの通信で取れるパターンなど方法はあります。私の知り合いでもこうしたパターンで取る人がいるのでどうにかなります。