ポータブルSSDの自作手順 KIOXIA SSD+ Inateckケース

高校を卒業したときに買ったポータブルHDD(WD製)がちょうど丸4年経ったことから、新しくすることにしました。しかし、考えているうちに自分で作ったほうがSSDの型番もわかるしいいのでは?*1と思い、自作するに至りました。

ちなみに高校のときにWDを買ったのはHDD本体を自社製造しているという理由でした。

 

自作メリット

ドライブの保証期間が長い(大体3~5年)こと。外付けの既製品は多くが1年保証です。

ドライブのメーカーを選べる。自分で選べるのでこだわったものが作れます。

デメリット

それほど安くない。

内蔵SSDの選び方

HDDは東芝、WDとSeagateくらいしか最早ありませんので選びようがありませんが、SSDは内蔵ドライブも多くのメーカーから出ています。激安品もありますが、品質が安定していない可能性が高く、メーカーによってはSSDを製造せずに他社から仕入れたものをパッケージングしている場合も消費者側からはわかりませんし、運次第です。

個人的にはcrucial(Micron)、Samsung、WD(Sandisk含む)、KIOXIA(東芝メモリ)などはいずれも定評があり安心して使えるかなと思います。いずれも自社でSSDを製造しています。今回は関係ありませんが、Cドライブとして使う場合にはKIOXIAはクローンソフトが付属していないので注意が必要です。

使用品

SSD本体(内蔵SSD)

主にM.2NVMeとSATAどちらかが主流だと思いますが、NVMeの方がコンパクトで安く、スピードも速いですが発熱がより多いです。SATAの方が安く、選択肢は広いです。予算との兼ね合いで決めればいいと思います。既製品だとNVMeのものはまだあまりありません。

KIOXIAのものにしました。理由は先程あげた4社のSATA SSDの中で一番安かったからです。KIOXIAに限らずネットには正規品と並行輸入品があるので十分気をつけてください。並行輸入品はリスキーなので個人的にはおすすめしません。KIOXIAのSSDは金属製とちょっと豪華な作りで、スピードはcrucialやsamsungに比べ落ちますが発熱が少ないという評価だそうです。

SSD ケース

Inateck 2.5 インチ HDD ケース USB 3.0 FE2013

Inateck 2.5 インチ HDD ケース USB 3.0 FE2013

  • メディア: エレクトロニクス
 

SSDの規格と大きさ(SATAであればほとんど2.5インチ)とUSB規格を間違えずに選びます。この分野の製品はとにかくサクラレビューがとにかく多いのでレビュー探偵とサクラチェッカーの両方を使い、大丈夫そうなメーカーのものに絞りました。inateckは前回2018年のSSD換装の際にも購入していて問題なく使えたので選びました。

自作手順

あくまで参考程度にしてください。今回は一つの例として載せています。

SSDをケースに装着する

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ケースに付属しているスポンジをつけると空白スペースがなくなるのでオススメです。スポンジをつけたあとにケースに蓋をするのですが、その際に接地面と反対側が浮いてしまうことがあるので、そのときに浮いた側を抑えながら蓋をするといいです。

パソコンにケーブルで接続し、フォーマット(初期化)をする

ケーブルで接続してもWindowsのPCのデバイスとドライブでは認識されません。そこでWindowsの左下のスタートボタンを右クリックし、ディスクの管理をクリックします。

クリックすると以下のような画面が出るので、ディスクの初期化を選択します。

この際MBRとGPTを選択します。SSD換装だとこれを間違えると致命傷になりますが、今回はシステムドライブではないのでそれほど神経質になる必要はないと思います。2TB以上ならGPTである必要があります。現時点ではGPTの方が主流な上、以前使っていたHDDがGPTだったことからGPTでフォーマットを行います。

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次へをクリック

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デフォルトのまま最大値にして大丈夫です。

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次のドライブ文字を割り当てるを選択。他のドライブとかぶるとわかりにくいのでD以降ならいいかと思います。気にしすぎずに。私はKIOXIAだからKにしました。

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ここもデフォルトの次の設定でフォーマットを選択。中の部分は特にいじっていません。新品未使用なのでクイックフォーマットで十分だと思います。

追記

フォロワーの方から新品SSDでも不良セクターのある可能性があることから、心配な場合にはクイックフォーマットにしないほうがいいという趣旨の意見を頂きました。心配であれば通常のフォーマットで行うことを推奨します。

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完成すると以下のような画面が出ます。フォーマット自体はクイックですし1分もあれば終わります。

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これにて正常に表示されるようになりました。

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まとめ

テレビ用のHDD/SSDもケースにはめてテレビに接続し、テレビで初期化をすれば録画用に使うことができます。既製品を買うより若干安く、そして何より安心して使うことができるので本当に便利です。

参考までにスピードの計測結果も載せておきます。Inateckの付属ケーブルで接続しています。

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*1:完成形の外付けSSDの多くは中のドライブのメーカーがわからなく、粗悪品が混ざっていることもあるので

HP ENVY15 ep-0000 パフォーマンスプラモデルを使ってみて

到着から2週間、随分とこのパソコンにも慣れてきました

 

peugeot208.hateblo.jp

 

2週間の間にRAW現像や、ETS2というトラックの運転ゲームをしたりしました。

せっかくなので色々な計測結果を載せても良かったのですが、すでにそうしたものは多く出回っていること、最高峰のパフォーマンスを求めるのであればCore i9搭載のクリエイターモデルを使うことからも今回はなんとなくのレビューとします。

 

最適化されたAdobe製品

このパソコンはクリエイター向けに開発されているためか、Adobe製品がとにかく使いやすいです。主にPhotoshopLightroom CCで写真編集、写真管理にAdobe Bridgeを使用しています。いずれのソフトでもサクサク動くため、イライラすることがありません。唯一、LightroomCCで写真を読み込むときに500枚程度読み込んだ際に固まってしまったものの、動作が停止したわけではなく、読み込みが完了すると固まらなくなったことからも、細かい点を気にしなければ100%です。Lightroom CC読み込み時にはメモリの使用量が23GBにまで行ったことからもメモリは32GBあれば現時点で問題ないと思います。こうした製品の使用時にはそこまで音はうるさくないです。

一方、ソフト自体が軽いNikon Capture NX-Dでは編集をしていた際、何度か固まってしまいました。相性の問題かなと思います。

 

音さえ気にしなければある程度楽しめるゲーム

そもそもこのパソコンはクリエイターモデルなのでフレームレートが60fpsなので本格的な場合には向いていませんが、それでも十分に動きます。ETS2では4Kで動作させても固まらず動きますし、Full HD動作程度にすればよりスムーズになります。GeForce RTX2060 With Max-Qという通常のRTX2060よりも控えめなGPUですが、性能は非常に高性能だと思います。一方、ノートパソコンの宿命か、ファンの音はとにかくうるさいです。

 

カラーキャリブレーションされた高品質な液晶

工場出荷時にカラーキャリブレーションされているため、非常に正確な色を出すことができます。また、色域変換を行うことができるため、用途に合わせ変えていくこともできます。通常時はデフォルトモードで、写真編集時にはSRGBモードで、動画を見るときにはDCI-P3モードで見ています。特に同じ動画をデフォルトとDCI-P3モードで見比べたときには、後者モードのほうがきれいでした。また、筆者は普段から有機ELスマホのGalaxy S10を使っているので感じませんでしたが、有機ELを使用している点も大きいのかなと思います。

 

まとめ HPノートパソコンのフラッグシップモデル

実はこのモデルはHPのフラッグシップではありません。ENVYシリーズの上にはSpectreシリーズがあります。こちらも高品質な液晶を使用しているのですが、CPUやGPU、メモリについてはこちらのモデルのほうが高性能だったりします。そういったことからスペックも含めた隠れたフラッグシップでありながらも、Core i7 10750Hモデルで約20万とお買い得度は非常に高いです。また、NVIDIAからもクリエイターモデルとして相応しいモデルに認定されているRTX Studio製品に認定されるなど、性能も妥協していません。Core i9のクリエイターモデルに比べ隠れがちのパフォーマンスプラスモデルですが、CPUとSSDRAID構成でない以外では同じ性能で十分すぎると思います。大学卒業記念に購入しましたが、非常にいい買い物になったと思います。

www.nvidia.com

 

 

HP ENVY15 パフォーマンスプラスモデル 購入

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

早速ですが、先日HPのENVY15のパフォーマンスプラスモデル(Core i9ではない4Kモデル)を買いました。

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端が若干黒いのはのぞき見防止カバーをフィルターの上にかけているためです。

選んだ理由

RAW現像で使いたかったため、ある程度のスペックと色域の広いモニターを搭載するノートパソコンという条件で選びました。候補としてはDell XPS15 9500やGigabyte Aero15 OLED、MSI Prestige15、マウスDaiv 5Nでした。いずれもSRGBカバー率は100%近いモデルです。その中でも最後までXPSと悩みました。*1値段の割にスペックがよく、また色域変換機能付きということで現像に適していることからENVY15にしました。ここまで3か月くらいかかりましたw

納期

HPの納期はググれば出ますが、他社に比べ圧倒的に不満が多いです。とにかく納期が遅くて有名です。

そこで今回は私が注文してから届くまでの記録を載せておきます。

 

2020/11/29 注文(納期予定:2月上旬以降) 注文時点でSSD在庫切れ、入荷待ち

11/30 正式受注メール

12/1 欠品のお知らせメール

12/4確認 HP 納品予定日回答チャットボット   2月上旬以降→2月上旬

12/7 納期のお知らせメール(欠品)

12/11 欠品のお知らせメール

12/18確認 HP 納品予定日回答チャットボット   2月上旬→1月中旬

12/27確認 HP 納品予定日回答チャットボット   1月中旬→1月7日

12/28 納期確定メール

年末年始のためここから間が空いていますが、通常であれば短いと思います

1/6 伝票番号お知らせメール(ヤマト運輸)

1/7 到着(納品)

運よく?1か月程度で届きました。DELLよりちょっと遅いくらいです。しかし、時期や欠品・注文状況によっては当然さらにかかります。特に最近だとADM Ryzen7 4700uモデルなどは半年程度の納期となっているそうですし、過去にはクリスマスに注文したものがゴールデンウイーク前後に届いたという話もSNSにありました。急ぎの場合にはHPの即納モデルや、そもそもHP以外のメーカーにしたほうが精神的にもいいと思います。

 

分解結果

もちろんサポートの関係で分解はしていませんが、ソフトからある程度調べられるためその結果となります。また、BTOではないため、メーカー等は個体によって異なる場合もあります。

SSDサムスン製。samsung pm981aの2TBでした。読み込み速度3500MB/秒、書き込み速度3000MB/秒。規格はNVMe PCIe Gen3 x4です。クリエイターモデルだと1TB×2でこちらもレビューを見る限り日本のものはサムスン製がほとんどです。外国ではKIOXIA(旧東芝メモリ)もあります。このモデルはAHCIモードですが、クリエイターモデルはRAID 0モードです。

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スピードも問題ありません。爆速です。

メモリもサムスン製。HP製はHPサポートアシスタントで確認できます。DDR4-3200の16GB×2でM471A2K43DB1-CWEです。ちなみにHPのホームページではDDR4-2933という記載がありました。初期のレビューではSK Hynix製のDDR4-2933メモリが刺さっていたものが多くあったので、たまたま変わったのか、途中で仕様変更したのかはよくわかりません。

内蔵無線LANintel wifi6 ax201でした。

ディスプレイは判明しなかったものの、OLEDの4KモデルかつDCI-P3カバー100%を備えていることからサムスン製SDC4145の可能性が非常に高いです。ちなみに工場でキャリブレーションを実施しているそうです。出典を参考までに載せておきます。普段サムスンディスプレイのGalaxy S10を使っているせいか、画面は違和感がなく見やすいです。

www.notebookcheck.net

マザーボードも上のサイトによればIntel HM470だそうです。

基本的なIntel Core i7 10750H + NVIDIA RTX 2060 with Max-Qなどは公式ページにもあるので省略します。

その他

パフォーマンスプラスモデルのレビューは少ないですが、クリエイターの方には気になる色域変換機能はこのモデルにも搭載されています。また、HPコマンドセンターでは初期設定のほかにパフォーマンスモード、冷却モード、静音モードがあります。

現時点では軽くLightroomCCで現像してETS2で遊んだくらいですが、どちらも不満はありません。パフォーマンスモードでETS2は正直うるさいです()

また気が向いたらレビューします。

*1:マウスは色域がそれほど広くない点、MSIはスペックの割に割高である点、Gigabyteは保証延長等が不可能なため外れました

【更新】2021~22年15万円以下のRAW現像向きノートパソコン

※ 当ブログはアフリエイトプログラム等に一切参加しておりません。そのため、筆者の主観で選定しています。また、値段や情報については2021年9月現在のものとなっており、現在とは異なる可能性もございます。

 

前回の記事でもパソコンを紹介しましたが、高すぎるという意見があり作ってみました。

 

今回は印刷をしないという前提で、SRGBカバー率が高い(できるだけ100%か近いもの)液晶搭載モデルにしています。またRAW現像で使うことからもCPUはCore i7/Ryzen7 モデル、メモリは16GB以上としています。

 

15型モデル

いずれも15万円以下にも関わらず、外部GPUSSD搭載モデルです。メーカーサイトにもSRGB100%(比かカバー率かは不明)が明記されているため、色域は広く、印刷しない分であれば十分に使えると思います。13・14型モデルよりもスペックに余裕があることから、自宅据え置きであったり、滅多に持ち運ばない場合は15型モデルの方がコスパがいいです。気が向いたら13型・14型モデルについても書きます。

 追記 ドスパラはSRGB比とカバー率を両方明記しています。

raytrek R5-TA5

スペック(一例です)(カスタマイズ可)

Intel Core i7 11800H + 16GB DDR4-3200メモリ + 512GB NVMe SSDNVIDIA GeForce RTX 3050  SRGBカバー率約99% 149,980円

www.dospara.co.jp

今年の15万円以下のクリエイターノートの大本命です。

コスパの高いBTOパソコンで有名なドスパラの作るクリエイターノートです。国内BTOだとマウスの方が有名かつ種類も多いですが、ドスパラにもraytrekというブランドがあります。また、発送もBTOにも関わらず数日以内であることもうれしいです。残念な点はドスパラ全体に言えますがキーボードが特殊なことです。

最新のインテルの8コア16スレッドのゲーミング向けCPUを搭載しつつ、最低限のメモリとSSD、そしてグラフィックスもしっかり付いています!

個人的にはこれだけ安いので余った分でカラーマネジメントモニターを買うのもアリだと思います。

次に紹介するDell Inspiron 15 Plusとかなりスペック的にも似てきますが、こちらの方が到着までに時間がかからない点や、2万円追加することでSSDを1TBかつメモリを32GBにできる点で優れていると個人的には考えています。

Dell Inspiron 15 Plus

www.dell.com

スペック(一例です)(カスタマイズ可)

Intel Core i7 11800H + 16GB DDR4-2666メモリ  + 512GB NVMe SSDNVIDIA GeForce RTX 3050Ti  SRGB100%  151,184円(20%offクーポン)

SRGBカバー率100%

解像度 1920*1080(Full HD)

まずDellは定価はありますが、基本的に常にクーポンが適用できるため目安程度の値段となっています。セール時期は色々とネットに出ていますのでググってください。

昨年は微妙でしたが、今年はドスパラと並び現時点でCPUもGPUもしっかりと最新モデルを使いながらも安価に抑えられている点で一押しです。

先程のドスパラのものとスペック的には似ているために性能面も当然似ていますがGPUはこちらの方が若干いいものを使っています。ただし、Dellなので納期は普通に1か月程度かかります。

 

Mouse Daiv 5P

www.mouse-jp.co.jp

スペック(一例です)(カスタマイズ可)

Intel Core i7 10750H + 16GB DDR4-2666メモリ + 1TB NVMe SSDNVIDIA GeForce GTX 1650  NTSC比72%(SRGB比約102%)  139,800円

解像度 1920*1080(Full HD)

マウスDaivシリーズの中でも15型のエントリーモデルになります。マウスはほぼ全てが長野県飯山で製造され、さらに製造品質も高いことで知られています。全体的に少し高めな印象のモデルもありますが、アフターサービス等も充実していることから番人におススメできます。1.53Kgと比較的軽量である点もメリットです。

 

まとめ

ドスパラもマウスも結構品切れになる確率が高いです。品切れになると次の入荷まで1,2ヶ月程度時間がかかることもあるので早めの購入がいいと思います。(場合によっては次回入荷なしでディスコンになることもあります)

印刷はあまりしないのでSRGBの色域で十分という方も多いと思います。実はSRGBカバー率の高いモデルは意外と多いのでもしかすればもっといいモデルがあるかもしれません。高いパソコンは嫌だけど、RAW現像でイライラするのも嫌、という人の役に少しでも立つことができればと思いました。

追記

半導体不足とテレワークによるパソコン需要増のせいか、とにかく品薄です。新世代CPUがもう既にあるにも関わらず搭載PCが少なすぎます。もう少し安定供給されるまで時間がかかるのかなと思います。もう夏なのに昨年の第10世代Core i7や第4世代 Ryzen 7が未だに主流です。わかっていて旧世代のものを買うならともかく、わからないで買ってしまうというのは本当に勿体ないのでそこだけは気をつけた方がいいと思います。

【更新】2021~22年 RAW現像向けノートパソコンの選び方&おススメ機種

筆者は時々Adobe Lightroomを使いRAW現像をしますが、パソコンの買い替えってとても悩みました。実際に3か月近く悩みましたが、その際に色々と勉強になったので振り返りも兼ねて書いてみようと思います。

※ 当ブログではアフリエイトプログラムには一切参加しておりません。そのため、筆者の主観となっております。また、値段や情報については2021年10月現在のものとなっており、現在とは異なる可能性もございます。

 

 

選び方

スペースが許すならデスクトップで

いきなり本末転倒ですがこれには理由があります。それはノートパソコンよりも高性能であり、かつ安いことです。私の場合は場所的な問題があったためこれは叶いませんでした。また、ノートパソコンよりも大きなことから排熱性にも優れています。本体の小ささは便利な一方、熱がこもりやすく、本来のパフォーマンスを発揮できず、寿命を縮めることにもなります。

 

ディスプレイに着目

ディスプレイ?というとFull HD、4K?となるかもしれませんが、そういうことではありません。色域です。広い色域のものは色を正確に出すことができるので、できるだけ広い色域のモデルを選びましょう。色域について書いてないモデルばかりですが、そういったモデルは基本的に色域の狭いものかそれほど広くないものなので、おススメできません。

色域の広いモデルにはSRGB比○○%とかSRGB○○%、Adobe RGBカバー○○%という表記がされています。ここで「比」と「カバー率」というものが出てきますが、細かいことは省略しますが「カバー率」の方が現実的かつ正確です。何もないときは比の可能性が高いです。

SRGBとAdobe RGBの違いとしてはこちらを参考に。もしも印刷しないのであればSRGBカバー率の高いモデルで大丈夫ですし、印刷をするのであればAdobe RGBカバー率の高いモデルの方がいいです。(追記 ただし一般的なプリンターや印刷サービスではSRGBにしか対応していないことも多々あります)

何%か書いてあるメーカーもあれば、そうでないメーカーもありますが、パソコン比較サイトのThe 比較様をはじめ一部サイトには計測結果が載っていますので、参考になると思います。

余談ですがMacだとSRGBカバー率とDCI-P3カバー率は100%か限りなく近く、Adobe RGBは9割程度という結果が他の方の計測結果で出ています。

knowledge.support.sony.jp

CPUに着目

現像の際には大変重要になる部分です。現時点ではIntelAMDがありますが、Lightroomだとノートパソコンの場合は計測結果を見る限り、Intelの方がパフォーマンスを発揮できる傾向があるような気がします。

Intel Core 11世代であれば、Core i7 11800H以上ならほぼ間違いなく大丈夫な気がします。ちなみに最後のアルファベットがHのものは通常のUやGのものよりも性能が高いです。Core i7といっても実は様々なものがありますがi7のHシリーズはその中でも特に高性能なシリーズです。更に強化されたCore i7 11850Hもあります。いずれも8コア16スレッドとハイスペックです。Core i9は高いうえにあまり搭載モデルもないです。Apple M1チップはLightroomとは相性が良いです。

 

メモリの容量は16GB以上 オンボードは避けよう

Lightroomの場合、メーカーでも推奨は16GB以上となっています。そのため16GBは最低でも欲しいところです。また、 高画素カメラの場合や複数個ソフトを起動する場合などは32GBあってもいいと思います。

また、一部機種ではオンボードタイプのものがあります。これだと後々増設ができないことから注意が必要です。

特にMac Book ProやAiriMacなど色域も広くCPUも高性能とクリエイターうってつけの機種ですが、メモリ増設やSSD換装や増設が不可能な点は注意が必要です。

SSDは512GB以上 NVMe規格のものを

筆者は256GBのものを使っていましたが、正直あまり入れていなくても半分くらいは埋まってしまいます。(Lightroomさえ入れていません)特に現像ソフトは容量を食い、写真を現像する際には余裕をもって512GBはあった方がいいと思います。1TB以上になると結構高くなることもあるので、外付けHDD/SSDの併用も行った方がいいと思います。

また規格は色々とありますが、SATA規格に比べ、より新しいNVMe規格の方が読み込み/書き込みスピードが圧倒的に早いです。高価格帯のノートパソコンは現在ではこちらの規格のSSDの方が最近は多いです。

 

その他

グラフィックスはRAW現像ではそこまで重要ではないそうです。CPU内蔵やローエンドのグラフィックスで十分だと思います。(NVIDIA GeForce RTX 3050や3050Tiなど)また、これらの要求を満たすパソコンは秋葉原ヨドバシカメラや有楽町のビックカメラなどを除き、基本的には家電量販店には在庫がないので、インターネットでの購入がメインとなります。

 

おすすめ機種(15型)

今回ここでのおススメ機種はいずれもAdobeRGBカバー率の高いモデルの紹介となっています。(ただし、ここの紹介機種はSRGBカバー率は100%か限りなく100に近くそちらにも対応はしています)

印刷は滅多にしないという方向けにSRGBカバー率が高く、更に安いモデルを集めた記事もあるので、こちらもよければどうぞ。

peugeot208.hateblo.jp

 HP Envy15

更新 2021年モデルが日本で発売開始されました。順次内容を更新します。

Intel Core i7 11800H + 32GB DDR4-3200MHz + 2TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA RTX 3060(Laptop)

OLED UHD(4K) (Adobe RGBカバー率100%:色域変換機能付き)モデル 319,000円(定価)

7% offクーポン適用時 296,670円

 

昨年よりは半導体不足もあってか割高な印象ですが、それでもクリエイターノートの絶対的王者XPS15に比べれば割安となっています。値段・スペック的にはMSIの新たなクリエイターノート(後ほど紹介します)Creator Z16と似ていますが、こちらの方が解像度やSSD容量の点で優れています。色域変換機能の有無は現時点では不明ですが、最廉価グレードを除き4KUHD画面でDCI-P3カバー100%となっています。

HPや次で紹介するDellの特徴としては常時7%offクーポンがネットに転がっている点や、ポイントサイト経由(リーベイツやクレカのポイントサイト)で結構貯まることから実質表示価格よりは安くなります。更にHPの傾向として週末限定セールで大幅値引きを行っている点や発売開始からしばらく経過すると定価自体を下げる傾向にあることからかなりお得に購入することもできます。

個人的には今年もコスパの面から一押しのノートパソコンです。

jp.ext.hp.com

前モデルを購入しました。その際のレビューです。

peugeot208.hateblo.jp

 

peugeot208.hateblo.jp

 

Dell XPS15 9510

www.dell.com

スペック(一例です)

Intel Core i7 11800H + 32GB DDR4-3200MHz + 1TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA RTX 3050Ti(45W)

FUllHD+ (SRGBカバー率100%)モデル 271,184円(20%off時)

OLED 3.5K (Adobe RGBカバー率100%:色域変換機能付き)モデル 313,124円(20%off時)

 

Windowsを代表するクリエイターノート。スタイリッシュなデザインと16:10の画面比モニターが特徴的。色域変換機能が付いているのも使いやすいです。有機ELモデルとそうでない普通の4Kモデルがあります。他モデルと比べると割高である点や、通常のサポートの場合、大連のコールセンター行きになってしまう点がデメリット。納期も即納モデルでない限りは1カ月近くかかります。予算が潤沢にあるのであればおススメです。ちなみに毎週特別価格ですが、本体価格が20%OFFになったときがねらい目です。今年から購入時に32GB,64GBメモリ増設が可能になりました。32GBは追加2万円程度なので追加したほうがいいと思います。

まだ出たばかりなので秋頃には少しは安くなるといいですが……

 

MSI Prestige15

jp.msi.com

スペック(一例です)

Intel Core i7 1185G7 + DDR4-3200メモリ(16-64GB) +  1TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA GTX 1650Ti Max-Q

FUll HDモデル(SRGB相当)     187,800円(パソコンショップアーク、カスタマイズ前メモリ16GB)

4Kモデル(Adobe RGB相当) 206,800円 同上(ただしメモリ32GB)

台湾のゲーミングPC、マザーボード等で有名なMSIが作ったクリエイターノートパソコン。特徴はこのクラスにしては超軽量の1.69kgに加え、アメリカのMIL規格に対応した耐久性の高さです。また、MSIのパソコンはMSI公認サポート店でメーカー保証を残したままメモリ増設を行えるという、他社にはない特徴もあります。また、公式修理はMSI公式サポート店に指定されている全国のパソコンショップアークと秋葉原パソコンショップアーク(こちらは公認サポート店指定もされています)で行え、他社以上に楽にできると思います。ちなみにSRGB相当ディスプレイ、AdobeRGB相当ディスプレイともに色域変換機能付きです。残念な点はCPUが紹介している他の製品よりも若干性能が低い点です。値段的には十分お買い得ですし、アークなどで購入する場合にはメモリやSSDを選べる点でも嬉しいです。(筆者はサムスンSSDがお気に入りです)

 

Gigabyte Aero15 OLED(有機EL)

www.gigabyte.com


スペック(一例です)

Intel Core i7 11800H +16GB DDR4メモリ + 512GB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA GeForce RTX 2060 

230,780円(amazon,アーク)(DCI-P3カバー率120%の4K)

こちらも台湾のPCメーカーです。MSIに比べ日本での知名度、販路はまだまだだと思いますが、とてもいいパソコンを売っています。特に出荷前にX-Rite Pantone キャリブレーション技術でキャリブレーションを行っていることからかなり高精度なモニタとなっています。Microsoft Azure AIを搭載するな世界の最先端をいくPCであることは間違いないです。DCI-P3カバー率120%というバケモノです。

残念な点としては製品保証が2年で延長等が不可能な点と、色域変換機能がないとのことです。

メモリ増設などはアークで購入する場合には購入時に変更できるため、アマゾンと違い10%offになりませんが、後々のことを考えればアークの方がいいような気がします。

 

おすすめ機種(16型)

MSI Creator-Z16(16インチ)

www.ark-pc.co.jp

 


スペック(一例)

Intel Core i7 11800H +32GB DDR4メモリ + 1TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA GeForce RTX 2060 

249,800 (DCI-P3カバー100%、QHD+ (2,560 x 1,600))  パソコンショップアークの価格

 

すでに紹介したMSI Prestige 15の更なる上位モデル。価格的にはクリエイターノートの王者XPS15の4Kモデルと同価格帯となります。液晶パネルはQHD+ですがリフレッシュレート120Hzとほかのクリエイターノートでは60Hzのものが多い中で優れています。色域変換機能もありこの点も非常に使い勝手がいいです。また、アークで購入した場合にはSSD等のカスタマイズができる点(それも保証を残したままで)も魅力的です。今年から発売開始となったグレードのため、今後が非常に楽しみな1台でもあります。

時々セールで値下げやMSIの公式オンラインストアパソコンショップアークで初期構成が違うことがあります。

おすすめ機種(13型)

Mac Book Pro(13インチ)(apple M1チップ搭載モデル)

www.apple.com

スペック(一例)

Apple M1チップ+16GBメモリ+1TB SSD 214,280円(apple store)

解像度 WQXGA(2560*1600)  Display P3カバー率100%

最初に執筆したときはまだM1チップが出たばかりであったため保留しましたが、現在では対応ソフトも増え、性能も非常に高いことから今回から載せています。

もはや知名度抜群なので説明するまでもないですが、色域はSRGB,DCI-P3カバー率は他の方の計測結果でおよそ100%、Adobe RGBカバー率も90%程度と流石元祖クリエイターノートなだけあります。更に独自開発のapple M1チップも非常に高性能でLightroomなどクリエイターソフトを動かしても十分なパワーを持ちます。ただし、色域変換機能はありません。

残念な点として、SSDやメモリなどの増設ができないことです。apple製品全体に言えますがブラックボックス化しており絶望的なことに加え、欧米で近年トレンドとなっている「修理する権利」に対して反対をしている一大勢力であることからも今後もこの点は絶望的だと思います。

番外編  印刷しない(SRGBカバー率が高ければ十分)方向けのおすすめ機種

こちらでは写真現像で最低限必要なSRGBの色域がカバーできていれば十分、またはカラーマネジメントモニターを使うので最低限ノートパソコンはあれば十分という方向けです。スペースが許せばカラーマネジメントモニターを設置してしまうのもいいと思います。

raytrek R5-TA6 32GB

www.dospara.co.jp

スペック(一例です)

Intel Core i7 11800H + 32GB DDR4-3200MHz + 1TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA RTX 3060

FUllHD (SRGBカバー率99%)モデル   189,979円

かつて国内メーカーのクリエイターノートといえばマウスDaivシリーズが圧倒的でしたが、最近ではドスパラのraytrekシリーズも勢いが特にあります。個人的にはSRGBの色域にしか対応していないものの、しっかりとSRGB比とSRGBカバー率を別々に公表している点からもドスパラがクリエイターノートに力を入れていることが感じられます。

raytrekシリーズにはいくつかありますが、今回おすすめするR5-TA6 32GBはベースモデルからメモリ32GB、SSD1TBに増設されているモデルで非常に現像に適したモデルとなっています。他社の場合(特にゲーミングではない色域の広いモデル)ではどうしても20万円台中盤~という製品が多い中で、20万円を切るこのモデルは非常にお得だと思います。浮いたお金で本格的なカラーマネジメントモニターを購入するのもアリだと思います。

 

ちなみにGPUGeForce RTX 3050に落としたモデルであればさらに安く、169,980円で購入可能となります。RAW現像ではGPUがCPUやメモリに比べそれほど重要ではないのでこちらのモデルもアリだと思います。

www.dospara.co.jp

 

Mouse Daiv 5P-H(32GBモデル)

www.mouse-jp.co.jp


Intel Core i7 11800H + 32GB DDR4-3200MHz + 1TB M.2 PCIe NVMe SSD +NVIDIA RTX 3050

FUllHD (SRGB比100%)モデル   208,780円

国内BTOパソコンでは圧倒的知名度のマウスのクリエイターノート。長野県飯山製造の高品質ノートで知られています。中でもDaivシリーズは国産クリエイターノートとしても非常に有名です。今回は定番のDaiv 5Nシリーズではありませんが、最新のCPUを搭載しています。ライバル機種は先程紹介したドスパラのものですがこちらの方が高く、かつGPUの性能が低いことから少し残念ですが、国内生産とサポートの手厚さが売りのマウスなのでその点を重視する場合であれば買いだと思います。

まとめ

とにかくクリエイターノートというもの自体が少ないため、選択肢が狭まってしまうのが残念です。また、値段もAdobeRGBカバー率の高いモデルはおおよそ20万円程度~と敷居は高いです。その一方で、これらの多くはLightroomなどのソフトが最適化されているためにパフォーマンスを発揮しやすいなど、デスクトップでなくても十分にRAW現像に使えると思います。印刷を視野に入れていない場合にはSRGBカバー率の高いモデルで十分ですが、こちらはそれなりに数があります。また、場所が許すのであればカラーマネジメントモニターが5万円程度からあるので、そちらを購入してもいいと思います。

最後にですが納期が気になる人はこの中だとMSIGigabyteがいいと思います。この2つは原則として即納モデルです。Dellは基本的にBTO(カスタマイズ)なので僅かにある即納モデル以外は厦門から出荷するので3週間~1ヶ月程度時間がかかります。HPはほとんどカスタマイズはできませんが頻繁に在庫切れになる印象があり、在庫が切れると最低でも1ヶ月程度、2,3ヶ月程度はよく聞きます。下手をすると半年近くかかることもあるそうなので、本当に余裕がある人か在庫があるときに即決できる人以外はおススメできません。

追記

値上げと品薄という最悪な状況です。半導体不足に加えパソコンの需要増加によって二重で苦しい状況が相変わらず続いています。多くのモデルで昨年に比べ値上げしています。